さっき乗ったエレベーターでの1コマ。
エレベーターとは不思議なもので。
この中にいると五感が研ぎ澄まされる。
開いたドアの向こうにちりちり頭で酔っ払いのおっさん二人が乗っている。
二人の会話から酒の摂取量が読み取れ、たった数分数秒間で彼らの役職や生活環境までもが把握できた。
厳密には把握できたと思っていた。
その箱は数階下り、途中一人の外国人を招き入れた。
その刹那。
あきらかに日本語のアクセントではない言葉が後から響く。
どう考えても鮨詰め持って千鳥足クラスのおっさん二人が英語で彼に語りかけているではないか。
しかも会話は成立しているようだ。
オイオイオイオイ!ギャップありすぎだよ!!
以来一階に着くまで僕を除く三人は英語で雑談を繰り広げた。
帰り際の外国人。
「ご親切にどうも有難う御座いました。駅こっちでいいんですよね?」
おまえもかっ!!