ギタリストなら一度は理論を学んだ方がいいのか?と考えた方も多いでしょう。
なので、今回はちょっとだけ音楽理論的なお話をしようと思います。
まず最初に断っておきますが、基本的に
理論を覚えてもギターは上手くなりません。
また、誤解されやすいですが、
曲を作れるようになる訳でもありません。
というか、
ギターを弾くことに絶対的に必要な理論はありません。
というのが、本当のところ私の中での結論なのですが、これでは講座もクソもないので、今回と次回は二回に渡ってちょっとだけ理論が関係してくるお話をしたいと思います。
はっきり言ってこういう話は理論書読んだ方が早いので、できるだけギターに関係する事をサラッと説明してみます。
まず今回は
キーというものについて。
日本では
調と呼び、その楽曲の基本となる音階(ドレミファソラシド)を決定する大切な要素です。
この音階を
ダイアトニックスケールと呼び、最初の音から全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音という並びの決まりがあります。
例えば、ドから始まれば勿論♯も♭も付かないドレミファソラシド(Cメジャー)ですが、ソから始まるドレミファソラシドはソラシドレミファ♯(Gメジャー)になります。
基本的にほとんどの音楽はこのダイアトニックスケールの音をメインに成り立っています。
また、よくカラオケでキーを上げる下げる言いますよね。
それがこのキーという概念で、ボーカル自体の問題ではなく楽曲全体のキーを変更するということなのです。
五線譜でのキーの表記は、ト音記号やヘ音記号の右隣に♯や♭を付加し、それが付いている音は臨時記号がない限り全てに有効になります。
上記のGメジャーの楽曲はファの位置に♯が付くという訳です。
さて、ここまで理解できたでしょうか。
なかなか難しいですね。
しかし、更に難しい話になりますよ。心して。
キーによってダイアトニックスケールが変わるという事は理解していただけたかと思いますが、それに伴いそのキーで使えるコードも変わってきます。
これを
ダイアトニックコードといいます。
これはダイアトニックスケール上に3度で構成される7つのコード達で、勿論構成音は全てダイアトニックスケールの音です。
キーがCメジャーの場合、CM7(ドミソシ)、Dm7(レファラド)、Em7(ミソシレ)、FM7(ファラドミ)、G7(ソシレファ)、Am7(ラドミソ)、Bm7♭5(シレファラ)になります。(まあ、三和音でもいいのですけどね)
且つ、どのキーにおいても通用出来るようにⅠM7、Ⅱm7、Ⅲm7、ⅣM7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7♭5と一般的には呼ばれています。
はい、もう何が何だか分かりませんね。
度数については次回触れよと思いますが、とりあえずこのダイアトニックコードが楽曲の大分部を占める大切なコードだという事が分かっていただければ幸いです。
更に、このダイアトニックコード達はそれぞれ三つのタイプに分類できます。
まず、主役の
トニック(主和音)。ⅠM7が担当。
確実な安定感があります。
次に
サブドミナント(下属和音)。ⅣM7が担当。
不安定なコードですが、様々なコードに繋がれます。
そして
ドミナント(属和音)。Ⅴ7が担当。
緊張感を持ちトニックに帰りたがる性質があります。
他四つのコードは
代理和音と呼ばれ、Ⅱm7はサブドミナント、Ⅲm7、Ⅵm7はトニック、Ⅶm7♭5はドミナントの代わりに使われます。
従って、現代音楽のほとんどがこのトニック、サブドミナント、ドミナントの組み合わせで構成されているといえます。
はい、やはりサラッとのつもりが長くなってしまいましたね。
特にギターは和音楽器なので、様々なコードを様々なポジションで弾け、この三つの役割をどれだけ把握しているかが重要な訳です。
まあ、実際頭で考えるより音としていかに認識できるかが大切なんですけども。
因みに、この知識は前回紹介した耳コピをする上でも非常に役に立ちます。
前回片っ端からコードを当てはめていくやり方を説明しましたが、実際キーさえ分かればかなり使うコードの種類を絞れます。
転調(曲中でキーが変わる事)しなければ必ずダイアトニックコードを使ってるという理屈ですからね。
余談ですが、昔から名曲と言われる楽曲の数々はほとんどⅠM7とⅣM7とⅤ7のみで構成されているのが多いそうですよ。
というかんじで、前述した通り理論を覚えたからといって何ができるという訳ではありません。
ただの頭でっかちにならないように、必要な部分だけを把握し、実践できるようになるのが理想です。
巧く使いこなせれば確実に強い武器にもなりますし、理論に縛られ自由な発想が自然とできなる可能性もあります。
非常に個人的な話ですが、私自身理論を学ぶ前まではかなり自由奔放な構成なりアレンジをしていて、今当時の曲を聴くと非常に斬新ではあります。
故にそこから得る物もあるのが事実ですし、更に学んだ後は後で、理に敵った作編曲や敢えて外すという選択肢も選べ、それなりに理論を活用できているかな、といった次第であります。
まだまだ勉強中ですけども。
学ぶも自由、使うも自由。